2世 木股 博鳳


昭和53年、京都の御所南に生を受ける。

先代である初代木股博鳳(京都府優秀技術者賞受賞、瑞宝単光章叙勲)に25歳から師事し、京人形髪付師としてのすべてを教わる。

令和5年に産学連携による伝統工芸品魅力発信プロジェクト「さいしんこうげい」参画。令和6年には、京人形(人形部門)において、経済産業大臣指定伝統的工芸品伝統工芸士を取得。
現在、京人形の髪付だけでなく、古い人形の修理・修復や、新しい感性を取り入れ、時代に沿ったアイデア商品を提案するなど、様々な活動を行っている。

趣味は、散歩と風景写真を撮ること。
京都の街と自然が大好き。

伝統ある京人形を作り続けた、先代木股博鳳。
その髪付は、京人形の脇役として、高い評価を受けました。
京人形の品格、品位を守るため、その時代を築き上げた人形作りの名人たちに薫陶を受け、ひたすらに技術を磨き続けました。
「合わすことが難しい。合わすのが大事や。」
その言葉は、2代目にも引き継がれ、深く心に刻み込まれています。
2代目木股博鳳は、大学卒業後、先代のもとで厳しい修行を受けました。
髪となる絹糸の扱い方や、道具の使い方。
手の動かし方といった技術はもちろんのこと、人形に対する深い愛情を、先代に叩きこまれました。
先代の、人形に対する想いを「心和む人形」と表現するのならば、2代目の想いは、それを踏まえて
「人形とは、文字通り人の形。鏡のようなもの」という言葉に集約されます。
2代目は、人形とは見る人の気持ちを映す、鏡のようだと考えています。
残念ながら、人形には怖いもの、という一般的な見方が多いことを憂いているのです。
それは、見る人が怖いもの、としてみているからであり、本来、人形はそういうものではなく、寂しい時、それを慰めてくれる。
また、人形に美しさや可愛らしさを感じるならば、それに応えてくれるもの、語り掛けてくるものとの想いを持っています。
そういった心を映してくれる綺麗な鏡のような人形を作るべく、日々研鑽しています。
先代の言った「合わすことの大切さ」は、古い伝統を守るだけでなく、新しい感性も取り入れるということ。
現代にも十分に通じるものと確信しています。